食生活とアトピーの関係 その1
油(油脂)の摂取に注意 ◆アレルギー体質を作るリノール酸 アトピー性皮膚炎の方の食事で注意すべきポイントはずばり油(油脂)の摂取です。 特に最近まで「体に良い」と評判だった紅花油はアトピー性皮膚炎に悪影響を及ぼす可能性があることが分かりました。...
食生活とアトピーの関係 その2
◆日本人の食事はリノール酸過剰 調査によると、40年ほど前の日本人が摂取していたリノール酸の量は、1日平均5~6グラムだったそうです。 ところが時代とともに食生活の欧米化が進んだ結果、現在では14グラムに跳ね上がっています。...
食生活とアトピーの関係 その3
◆α―リノレン酸が体質を改善する リノール酸がアレルギーを引き起こすメカニズムを説明します。 ダニやカビなどの抗原(アレルゲン)が体内に侵入すると、IgE抗体と結びつき、無毒化してから肥満細胞につきます。 この時ヒスタミンやロイコトリエンなど、アレルギー反応を起こす物質...
食生活とアトピーの関係 その4
◆リノール酸を減らしてα―リノレン酸を多く摂ることがアレルギーを抑制する原理 アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患をコントロールするには、痛み・炎症の元となるプロスタグランディンの生成をいかに抑えるかが問題になります。...
アトピー性皮膚炎 その1
アトピー性皮膚炎 その1 現代医学の立場から 奇妙な疾患の正体はいまだに解明されていない アトピー(奇妙な疾患)という名前は、遺伝的に病気になりやすい素質を示すアレルギー性疾患のうち、レアギン(IgE抗体)によってひき起こされる疾患についてつけられています。...
アトピー性皮膚炎 その2
アトピー性皮膚炎 その2 アトピー性皮膚炎は年齢と症状によって分類する 病因が不明なため、アトピー性皮膚炎は、原因ではなく年齢別の症状によって分類されています。 乳児期には、頭や顔を中心に、ジュクジュクとした急性の湿疹が現れます。...
アトピー性皮膚炎 その3
アトピー性皮膚炎 その3 治療は対症療法に限られる 現在、日本皮膚科学会では、アトピー性皮膚炎を①掻痒②慢性反復性の経過③特徴的な皮疹と分布などの症状から診断しています。 原因が不明なため、原因を除去する根本的治療はなく、すべて対症療法に属します。...
アトピー性皮膚炎 その4
アトピー性皮膚炎 その4 中医学からみたアトピー性皮膚炎 防衛機能と血液が助け合って皮膚の健康が保たれる 皮膚を健康な状態に保つ機能を「衛気(えき)」といいます。 汗腺の開閉を調節したり、皮膚の緊張度を適度な状態に保って体温を維持すると同時に、皮脂線の分泌を通じて皮膚に...
アトピー性皮膚炎 その5
アトピー性皮膚炎 その5 防衛機能と血液の調和が失われると熱と不要な水分が生まれる しかし、外からやってくる病因や、限度を超えた精神の刺激、不適当な飲食、過労などの原因に因って、営と衛の調和がくずれると、皮膚の病気が起こりやすくなります。...
アトピー性皮膚炎 その6
アトピー性皮膚炎 その6 アトピー性皮膚炎はからだの内外の原因が結びついて起こる からだがこのような状態のときに、「風」が外から侵入すると、熱や不要な水分と結びつきます。 「風」は、温かく、活発に動きまわって変化しやすく、からだの表面や上部から侵入しやすい性質の病因です...
アトピー性皮膚炎 その7
アトピー性皮膚炎 その7 アトピー性皮膚炎発病のメカニズムアトピー性皮膚炎は 二つのタイプに分けられる アトピー性皮膚炎の症状は、複雑で多種多様です。 しかし、年齢や症状の特徴などによって、「湿熱型」と「内燥型」という二つのタイプに、大きく分けることができます。...
アトピー性皮膚炎 その8
アトピー性皮膚炎 その8 乳児のアトピー性皮膚炎の症状は、治しやすい 乳児のアトピー性皮膚炎の特徴は、耳のまわりがただれる「旋耳瘡」ができたり、ほおや頭に丘疹ができるというように、頭や顔、首に症状が現れる点です。 これは、からだの上部や表面を犯す風の性質が現れるからです...
アトピー性皮膚炎 その9
アトピー性皮膚炎 その9 乳児のアトピー性皮膚炎は胃腸を補うだけで完治する 乳児のアトピー性皮膚炎の根本的な原因は、胃腸が弱いという点です。 そのため、胃腸を補って栄養の代謝を盛んにし、不要な水分や熱が生まれないようにすることが、治療の原則です。...
アトピー性皮膚炎 その10
アトピー性皮膚炎 その10 風は、ほかの病因と結びつきやすい 風はほかの病因と結びつきやすい性質をもっています。 乳児の場合、胃腸の働きが落ちるために生まれた不要な水分が多いので、風は、特に不要な水分と結びつきやすくなります。...
アトピー性皮膚炎 その11
成人のアトピー性皮膚炎はすでに小さいころから始まっている 乳児期の間に治らないまま、三、四歳のろの幼児期になると、皮膚を掻くといったことのほか、不適当な食生活やステロイドホルモンの使用による「二次性皮膚障害」が加わります。...
アトピー性皮膚炎 その12
アトピー性皮膚炎 その12 熱を帯びた不要な水分が「水の通り道」を妨げる場合 熱を帯びたからだに不要な水分は、全身をネットしている「水の通り道」を通って全身に広がります。 このとき、からだに必要な水分の流れなどが妨げられるので、頭が重い、胸がつかえる、泥状便や腹満、...
アトピー性皮膚炎 その13
アトピー性皮膚炎 その13 成人になると病気がますます複雑になる 成人するころになると、熱を帯びた不要な水分の力が強くなって、からだの一番深いところに入り込んでしまいます。 特に熱の症状が強くなった場合には、「竜胆瀉肝湯」や「五淋散」あるいは消風散などで激しい症状をおさ...
アトピー性皮膚炎 その14
アトピー性皮膚炎 その14 血液の栄養作用の低下で潤いが失われて起こる場合 不要な水分と結びついた熱の影響を受け続けると、血液成分のバランスが失われ、皮膚の潤いや栄養がそこなわれるようになります(血虚)。 「内燥型」のアトピー性皮膚炎は、このようにして始まります。...
アトピー性皮膚炎 その15
アトピー性皮膚炎 その15 不足したものは補うのが治療の原則 不足したものは補うのが中医学治療の原則です。 したがって、血液を補いながら風をおさめる当帰飲子が基本薬となります。 しかし、この段階になると、たいてい「水の通り道」が熱を帯びた不要な水分によってふさがれてい...
アトピー性皮膚炎 その16
アトピー性皮膚炎 その16 さらに乾燥が進むと熱の症状が強くなる この状態が続くと、さらに栄養や潤いがなくなります(血燥)。 皮膚に弾力がなくなって硬くなり、厚くなります。 掻かないのに皮膚が白い粉屑のようになって大量にはがれ落ち、痒みは昼夜を問わず強くなり、さわると...