不妊 その1
不妊とは、妊娠適齢期の女性が避妊を行わずに、結婚後三年以上経過しても妊娠しない、あるいは妊娠ののち数年を経ても再度妊娠しないことをさします。 原因が女性側・男性側のいずれか、あるいはその両方にある場合が考えられます。 女性の生理の周期に合わせて治療する、周期療法もありますが...
不妊 その2
【腎虚】 ②腎陽虚 腎精とともに陽気が不足し、女性は子宮を温めて精子を受納したり卵子や子宮全体を養育する能力がなく、男性では精子を培養する能力がなくなるために、不妊をひきおこす病態です。 症状は、腎精不足の症状以外に、元気がない・四肢が冷える・寒がる・寒冷をきらう・夜間頻尿...
不妊 その3
【腎虚】 ③腎陰虚 腎精の不足とともに温めるエネルギーの陽気が相対的に余るためにそれが虚熱となって、女性では子宮を養うことができず、男性では精液の生産が不足するだけでなく、火熱によって乱されたり精や血が消耗されるために、不妊を引き起こす病態といえます。...
不妊 その4
【気血不足】 先天的な虚弱・慢性病・過労・出血などによる消耗、あるいは脾胃(胃腸)の虚弱による気血の生産不足が原因で気血が虚し、女性では衝脈任脈を通じての胞宮(子宮)を十分に栄養することができず、また男性では精液を作り出す源が不足するために、不妊を引き起こす病態です。...
不妊 その5
【肝気鬱結】 精神的ストレス・緊張・悩み・怒りなどにより、肝気が鬱血してスムーズな気血の流れが出来なくなり、女性では気血が鬱滞して胞宮(子宮)が栄養を受けられず、男性では腎精の生化や運輸が失調し、不妊をきたす病態といえます。...
不妊 その6
【痰湿】 脂っこいもの・味の濃いもの・甘いもの・おいしいものの嗜好により脾胃の気機(胃腸の働き)が阻害され、水湿が運化されないため痰湿が生じ、その痰湿が下注して女性の胞宮(子宮)や男性の精室を阻害し、不妊を引き起こす病態です。...
不妊 その7
【湿熱】 不潔な性交あるいは月経時や産後の性交により、湿熱の邪(現代医学的には細菌やウイルスなどを指す)が陰道を通じて侵入し、胞宮(子宮)や精室を侵すために、不妊をきたす病態です。 子宮内膜炎・前立腺炎・精嚢炎などに相当します。...
不妊 その8
不妊の最終回です。 【血瘀】 肝気鬱血の気滞による血流阻滞、陽虚・気虚による血液の推動力が無い、陰虚・血虚の血液濃縮にともなう血行阻滞など、さまざまな原因で血行が阻滞されて血瘀が生じ、胞宮(子宮)が栄養されず精液の流れが渋滞するために、不妊をきたす病態です。...