中医学で考える不眠症 その1
中医学で考える不眠症とは その1 不眠症は、内臓の働きの異常を示す症状 中医学では、「臓腑」の機能が失調し、これが、「心」の働きを損なって、「神」が不安定になるため、不眠症が起こると考えます。 臓腑の機能失調の原因となるのは、外から侵入する「病邪」のほか、感情の変化...
中医学で考える不眠症 その2
中医学で考える不眠症とは その2 からだの内部の状態は総括して表現される 内臓や器官、組織といった、からだの内部の活動状態は、英知や動作、言語、目の輝きや顔の表情などとして現れます。 これらを総称して、中医学では「神(心神:しんしん)」といいます。...
中医学で考える不眠症 その3
中医学で考える不眠症とは その3 心の動きが、睡眠に影響する 「心は神を蔵す」というように、神が正常に表現されるかどうかは、心が正常に働くかどうかによって決まります。 また「心は五臓六腑の大主」というように、心はすべての臓腑の働きを統轄しています。...
中医学で考える不眠症 その4
中医学で考える不眠症とは その4 心のバランスのくずれが不眠症につながる 心が正常に働くことができるのは、心の「陰」と「陽」のバランスが安定しているからです。 陰は陽の物質的基礎で、静(沈静)・沈・下降・暗といった性質をもっています。...
中医学で考える不眠症 その5
中医学で考える不眠症とは その5 【不眠症の診断と治療】 不眠症の直接の原因は「火」 不眠症の直接の原因は「火(火邪)」です。 火は陽気が熱に変化したものです。 火は「外火」と「内火」に分けられます。 外火は熱病をさし、内火は過剰な精神の刺激による感情の変化によ...
中医学で考える不眠症 その6
中医学で考える不眠症とは その6 心の栄養が不足するために起こる不眠症 心血が不足すると、心血虚の状態となります。 相対的に余った心陽は熱を帯び、心火となって燃え上がります。 そのため神は正常なリズムを失って、夜になっても動の状態が静まらず、眠れなくなります。...
中医学で考える不眠症 その7
中医学で考える不眠症とは その7 全身の火と水のバランスがくずれて起こる不眠症 心陰虚の症状に耳鳴りや腰・背痛、頭がくらくらするといった「腎精虧損」の症状が加わった状態を「心腎陰虚」といいます。 このように、臓腑どうしの機能のバランスがくずれるために起こる不眠症もありま...
中医学で考える不眠症 その8
中医学で考える不眠症とは その8 ストレスが精神情緒を乱して起こる不眠症 その1 現代社会では、自分が思っている以上にストレスがたまりやすくなっています。 ストレスのように、からだに変調を起こす原因となる感情の変化を、中医学では「喜」「怒」「憂」「思」「悲」「恐」「驚」...
中医学で考える不眠症 その9
中医学で考える不眠症とは その9 ストレスが精神情緒を乱して起こる不眠症 その2 肝と心は母と子の関係にあるので、肝で生まれた火は心に移って「心肝火旺」の激しい熱症状を引き起こし、一晩中眠れなくなります。 また、舌の先端や縁の部分が紅絳(濃い紅)色になり、脈は弦を張った...
中医学で考える不眠症 その10
中医学で考える不眠症とは その10 ストレスが消化機能を損なって起こる不眠症 肝は消化作用をコントロールする機能をもっているので、肝の機能失調は、脾胃に影響しやすい傾向があります。 脾胃の機能が失調すると、津液がめぐらず、「痰湿」という病理産物に変化します。...
中医学で考える不眠症 その11
中医学で考える不眠症とは その11 気の小さい人がかかりやすい不眠症 もともと気が小さく、心配症で、いつまでもささいなことにこだわってくよくよし、驚きやすく、こわがりで、すぐ泣くのは、「心気虚」があるからです。 気がちいさいということは、決断ができないということにもつな...
中医学で考える不眠症 その12
中医学で考える不眠症とは その12 暴飲暴食が不眠症を引き起こすこともある 脾胃の消化能力を越えて暴飲暴食をしたり、おいしいものばかりを食べると、からだの活動に必要な気や血、津液を作って全身に送り、不要な物質をからだの下の方に送る脾胃の機能が失われます(「胃気不和」)。...