たかが風邪、されど風邪
お彼岸が過ぎて、朝夕はめっきり涼しくなってまいりました。 明け方には気温もぐんと下がって、少し油断をしていると朝起きてのどが痛かったり、くしゃみが連続して出たりする方が増えています。 季節の変わり目、風邪の引きやすい時期です。...
中医学に見るかぜの原因と症状
西洋医学が、ウイルスに目を向けてかぜをとらえているのに対し、中医学では、体質、からだの状態、からだをとりまく環境という三つの点からかぜを考えます。 正常な体力をもった人なら、一週間で治ってしまう軽い病気であり、発汗法を用いて治療するという点では、西洋医学と共通しています。...
中医学のかぜ治療法 その1
本来かぜは軽い病気に属します。 「軽い病気には軽い薬」が中医学の原則です。 中医学では、感染症にはまず発汗法を用いて治療することが多いのですが、かぜのような比較的軽い病気と、その他の重い感染症とではまったく異なる薬を用います。...
中医学のかぜ治療法 その2
胃腸に症状が現れるしめったかぜは、暑い夏にかかりやすいため、強い発汗作用をもつ薬を与えると、汗をかき過ぎてこじらせてしまうおそれがあります。 そのため、ほんの少し発散させ、体液を失わないように補充しながら余計な水分を外に出す「 かっ香正気散 」がとてもよく効きます。...
風邪をひいたら その1
【寒け・微熱・鼻みずの「 青い風邪 」に】 背中がぞくぞくして、水っぽい鼻みずがと止まらず、熱も少しあるというときには、体を温めながら発汗させる漢方薬が適しています。 「 葛根湯 」が一般的ですが、発汗作用が強いため、汗をかきすぎて体力が落ち、かえって風邪を治りにくくしてし...
風邪をひいたら その2
【のどの痛み・発熱がある「 赤い風邪 」に】 熱が高く、のどが真っ赤に腫れて、物を飲み込むとひどく痛む時には、熱症状が強い風邪と考えて、熱をさましながら発汗させる「 銀翹散 」や「 天津感冒片 」などを用います。 このタイプは、ひと汗かくとらくになりますが、そのあと発汗が止...
風邪をひいたら その3
【下痢・吐き気などを伴う「 黄色い風邪 」に】 鼻水や咳などに加えて、吐き気がしたり、下痢が止まらなくなるような「胃腸型」の症状が出る場合があります。 こんな場合には、まず体内の余分な湿気や水分を追い出して、胃腸の機能を整える「 藿香正気散 」のような漢方薬が向いています。...