気管支喘息 その1
気管支喘息 その1 現代医学による気管支喘息の診断と治療 気管支喘息は三つのタイプに分けられる 現代医学では、気管支炎のうち、何らかの刺激に対して気道が過敏に反応し、気道に広範に狭窄を生じて、喘鳴や呼吸困難をきたす疾患を気管支喘息と呼びます。...
気管支喘息 その2
気管支喘息 その2 気管支喘息の二大症状とメカニズム 気管支喘息の二大症状は、呼吸困難と喘息です。 気道が広範囲に狭窄することによって起こります。 何らかの原因で気管支がれん縮すると、気管支の内腔が細くなります。 また、粘液の分泌が亢進すると、たんが生じてからみやす...
気管支喘息 その3
気管支喘息 その3 気管支喘息の診断と治療 できるだけ発作を起こさないようにし、発作が起きたら軽いうちに止めるのが、現代医学による治療の原則です。 治療薬は、気管支拡張剤とステロイド剤が中心になります。 気管支喘息は、可逆性で治療に反応しやすいので、即効性のある気管支...
気管支喘息 その4
気管支喘息 その4 肺の働きと、呼吸のしくみ――中医学の立場から 気管支喘息とは 気管支喘息は呼吸困難を主な症状とする疾病で、中医学では「哮喘」とよんでいます。 「哮」は、水液代謝の異常によって生まれた病因(飲や痰)が「肺」の中にひそんでいるところに、外因が侵入したり(...
気管支喘息 その5
気管支喘息 その5 肺は、呼吸をコントロールする まず、呼吸のしくみについて考えてみましょう。 中医学では「肺は気の主」といい、呼吸は肺を中心に行われると考えます。 肺は、自然界のきれいな空気を吸い込み、よごれた空気を吐き出します。...
気管支喘息 その6
気管支喘息 その6 からだに必要なエネルギーや栄養は、 呼吸とともに肺によって全身に送られる 肺では、吸い込んだ空気(清気)と、消化器(脾と胃)から送られてきた栄養(穀気)、腎から送られてきた生命の源となる熱エネルギー(真気)が一つになって、生命活動に必要な栄養(大気あ...
気管支喘息 その7
気管支喘息 その7 肺は、栄養水の代謝もコントロールしている 栄養水(津液)の代謝は、肺と脾と腎を中心に行われています。 飲食物からつくられた栄養水は、脾胃から肺に送られます。 肺は、全身に向かって栄養水を散布します。栄養水は、全身に張りめぐらされた「水の通り道(三焦...
気管支喘息 その8
気管支喘息 その8 気管支喘息の病因と病気のメカニズム 水液代謝の異常によって病因が生まれる 気管支喘息が起こる背景には、水液代謝の異常によって生まれた飲や、内臓のバランスがくずれるために生まれる痰という病因が必ず存在します。...
気管支喘息 その9
気管支喘息 その9 内臓のバランスがくずれて病因が生まれる 気候の異常な変化や感情の急変、飲食の不節制や疲労などによって、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の正常な働きの基礎であるエネルギーと栄養のバランスがくずれると、栄養水や血液、生命活動の源となる物質がつくられず、かわりに不...
気管支喘息 その10
気管支喘息 その10 病因は、病根となって体内にひそむ こうして生まれた飲や痰は、病根として体内にひそみながら、からだの正常な働きを少しずつむしばんでいきます。 くりかえしてかぜなどの感染症にかかったり、飲食の不節制や疲労などが続くと、病根は増えていきます。...
気管支喘息 その11
気管支喘息 その11 さまざまなことが気管支喘息の引き金になる からだに飲や痰などの病根がひそんでいるときに、気候の異常な変化の影響を受けてかぜをひいたり、生ものや冷たいものの食べすぎや飲みすぎ、辛いものや油っこいものの食べすぎで胃に負担をかけたり、感情の急変や過労などに...
気管支喘息 その12
気管支喘息 その12 気管支喘息の分類と治療 気管支喘息は二つに分けることが重要 気管支喘息は、病因の力が強いために起こる、急性の「実」の喘息と、正常な内臓の働きが失われるために起こる、慢性の「虚」の喘息に分けることができます。...
気管支喘息 その13
気管支喘息 その13 風と寒さによって起こる気管支喘息 実の気管支喘息では、寒熱を問わず激しい急性の呼吸困難が主となります。 そのはか、からだを横にすることができなくなり、呼吸音が高く、長く荒くなり、ヒューヒューという喉鳴をともないます。...
気管支喘息 その14
気管支喘息 その14 症状が軽くなってきたら薬を変える ヒューヒューという音がおさまり、からだを動かすことができるようになっても、せきやたん、息苦しさばどの症状が残ります。 このような状態になった時は、小青龍湯から麻黄を除き、人参・杏仁・石膏を加えたものを用います。...
気管支喘息 その15
気管支喘息 その15 風と熱によって起こる気管支喘息 同じ実の喘息でも、熱性の病因に感染して病根が刺激されると、実の喘息の発作のほかに、発熱や頭痛、汗が出る、たんのからむ音がする、たんが黄色く粘性が強い、イライラする、顔が赤い、のどが渇いて冷たいものを飲みたがる、便秘、と...
気管支喘息 その16
気管支喘息 その16 発作がおさまったら内臓の働きを補う 気管支喘息の発作がおさまったら、病因となった飲や痰を除くとともに、衰えたり失われた内臓の正常な働き(気・血・陰・陽)を補います。 特に肺と腎、あるいは肺と脾胃の治療が大切です。...
気管支喘息 その17
気管支喘息 その17 内臓の働きが失われて起こる気管支喘息 次に、虚の気管支喘息について考えてみましょう。 発作をくりかえしたり、肺や脾胃、腎などの働きが失われて、呼吸困難やせき、たんのほか、発汗しやすい、元気がない、胃腸が弱い、腰が重い、浮腫といった症状をいつもともな...
気管支喘息 その18
気管支喘息 その18 内臓が活動するための栄養源が不足した場合 逆に、五臓が活動するための栄養源となる腎の栄養(腎陰)が不足すると、腰がだるく力が入らない、頭がふらつく、耳鳴り、口が乾く、ほおの紅潮、イライラといった症状が現れます。...
気管支喘息 その19
気管支喘息 その19 消化器を中心に補う場合 幼児や小児の場合、脾胃が弱いために飲や痰が生まれやすく、そのため肺の働きも弱く、気管支喘息を起こすことがよくあります。 元気がない、食欲不振、手足に力が入らない、軟便あるいは下痢、消化不良、腹が張る、腹が鳴るといった症状をと...
気管支喘息 その20
気管支喘息 その20 「水の通り道」の流れをよくすることも大切 このように、肺と腎、脾胃の治療が中心になりますが、気管支喘息は、水液代謝がうまくいかないことが原因のひとつですから、「水の通り道」の治療を行うことも大切です。...