耳鳴り その1
「耳鳴り」の中医学の考え方 耳鳴りのメカニズムには二つのタイプがある その1 中医学では、外から侵入したり体内で生まれた病因物質(「邪」)によって耳の感覚が妨げられたり、内臓の機能がおとろえ、全身の活動に必要な基本物質(「精・気・血・津液」)が不足することによって、耳が正...
耳鳴り その2
「耳鳴り」の中医学の考え方 耳鳴りのメカニズムには二つのタイプがある その2 しかし、病因物質が侵入したり生まれるのは、もともと内臓の機能がおとろえていたり乱れて、体調が低下しているからです(虚)。 そうゆう意味では、実の耳鳴りのほとんどは、直接的には病因物質によって起こっ...
耳鳴り その3
「耳鳴り」の中医学の考え方 からだの活動は五つの内臓を中心に行われる その1 中医学では、ものごとには物質的な要素である「陰」と、機能的な要素である「陽」があると考え、これにしたがって精・血・津液を陰に、気を陽に分けています。...
耳鳴り その4
「耳鳴り」の中医学の考え方 からだの活動は五つの内臓を中心に行われる その2 精は成長や発育、成熟、老化といった、生命エネルギーのおおもとになる基本物質であると同時に、気・血・津液につくり変えられて正気の基礎になります。...
耳鳴り その5
「耳鳴り」の中医学の考え方 耳は、すべての内臓とつながっている その1 耳や目などの感覚器官は、それぞれ五臓の機能と密接に関係し、耳は腎と最も関連が深いと考えられています。 また、骨や髄は精からつくられ、髄が集まって脳ができるという考えから、感覚器とつながる脳も、腎と密接...
耳鳴り その6
「耳鳴り」の中医学の考え方 耳は、すべての内臓とつながっている その2 耳は経脈によって腎と直接つながっており、腎から基本物質(精・気・血・津液)を受けて機能しています。 腎が正常に機能すれば耳もよく聞こえるのです。 さらに「耳はすべての脈が集まるところである」といわれるよ...
耳鳴り その7
「耳鳴り」の中医学の考え方 耳は、すべての内臓とつながっている その3 経脈をふさいで実の耳鳴りを引き起こす主な病因物質は「風」「火」「痰」「血瘀」です。 風は外から侵入することが多く、そのほかの病因物質の多くは、体内で生まれます。...
耳鳴り その8
突然起こる激しい耳鳴りの症状と治療 侵入した病因物質が急性の耳鳴りを起こす(風熱) その1 病因物質(邪)に対する抵抗力(「衛気」)は腎で生まれます。 また、肺は腎と協力して呼吸活動と水分代謝を行い、衛気を体の表面に送り出します。...
耳鳴り その9
突然起こる激しい耳鳴りの症状と治療 侵入した病因物質が急性の耳鳴りを起こす(風熱) その2 耳が強く痛み、膿がたまるなど、中耳炎が起きることもあります。 この場合には、熱を冷まし抵抗力を高める「駆風解毒湯」や「桑菊飲」を使います。...
耳鳴り その10
突然起こる激しい耳鳴りの症状と治療 機能の停滞で生まれた火が激しい耳鳴りを起こす(肝火上炎) その1 肝は、基本物質の流れや、精神情緒・消化吸収機能を調節し、筋膜や腱に滋養とうるおいを与える「疏泄」機能をもっています。...
耳鳴り その11
突然起こる激しい耳鳴りの症状と治療 機能の停滞で生まれた火が激しい耳鳴りを起こす(肝火上炎) その2 さらに、激しい頭痛や顔面紅潮、目の充血、口の乾燥、口が苦い、怒りっぽい、イライラ、不安感、不眠、便秘などの症状をともない、舌が紅く黄色い苔がつき、弦を張ったような脈をふれ...
耳鳴り その12
突然起こる激しい耳鳴りの症状と治療 栄養の代謝が悪くなると急に耳鳴りが起こる(痰火) その1 食生活の不摂生が脾胃の機能を失調させたり、ストレスによる肝の疏泄機能の亢進が脾胃を傷つけると(「肝気横逆」)、栄養代謝が悪くなって津液の流れが滞り、粘液性の病因物質(「痰湿」)...
耳鳴り その13
突然起こる激しい耳鳴りの症状と治療 栄養の代謝が悪くなると急に耳鳴りが起こる(痰火) その2 痰火が突き上げて(「上逆」)、経脈をふさぐと、強い耳鳴りが起こり、耳がふさがったような感じになります。 さらに、頭のふらつき、頭が重い、胸や腹が張って苦しい、たん、せき、大小便...
耳鳴り その14
突然起こる激しい耳鳴りの症状と治療 血液の流れの滞りも耳鳴りの原因になる(血瘀) 気と血はいつでもペアで活動しているため、気が滞ると血も滞りますし、外傷などで滞ることもあります(「血瘀」)。 血瘀によって経脈がふさがれると、突発性の難聴とともに、強い耳鳴りが起こりま...
耳鳴り その15
慢性的に起こる耳鳴りの症状と治療 生命エネルギーのおおもとが不足すると、慢性的に耳鳴りが起こる(腎陰虚) その1 五十歳前後になれば、だれでも気力や体力がおとろえます。 このような老化現象は、生命エネルギーのおおもととなる腎の精が慢性的に不足して腎の働きがおとろえる...
耳鳴り その16
慢性的に起こる耳鳴りの症状と治療 生命エネルギーのおおもとが不足すると、慢性的に耳鳴りが起こる(腎陰虚) その2 熱性の症状が強いときは、肝と腎の精や血、津液を補って火をおさえる「 知柏地黄丸 」などがいいでしょう。...
耳鳴り その17
慢性的に起こる耳鳴りの症状と治療 乾燥が進み、熱によって慢性の耳鳴りが起こる 精が血に変化し、血が精から生まれ、精が腎に、血が肝にたくわえられるというように、腎と肝は密接な関係にあります。 したがって、腎の精や津液が不足すると、肝の血や津液も不足して(「肝腎陰虚」)、耳...
耳鳴り その18
慢性的に起こる耳鳴りの症状と治療 耳鳴りが、冷えをともなうケースもある(腎陽虚) 腎の精の不足が進んで、生命活動の原動力である腎の機能が損なわれるようになると(「腎陽虚」)、耳や脳に必要な熱量が不足するので、冷えをともなう耳鳴りが起こることがあります。...
耳鳴り その19
慢性的に起こる耳鳴りの症状と治療 消化吸収機能のおとろえが耳鳴りの原因になる(脾胃気虚) 食生活の不摂生やストレス、慢性病による衰弱、過労、虚弱体質などの原因で脾胃の消化吸収力が低下すると、全身の活動に必要な栄養素を十分につくって送り出す力が不足します(「脾胃気虚」)...
耳鳴り その20
慢性的に起こる耳鳴りの症状と治療 機能の低下と、滋養の不足が耳鳴りを引き起こす(気血両虚) 気と血は、ともに脾胃でつくられ、いつもペアで活動しています。 したがって、脾胃の機能が低下して気が不足すると、血も不足するようになります(「気血両虚」)。...