top of page
執筆者の写真kampo shinsendo

こころの病 その13

こころの病 その13



心の活動エネルギーが不足している場合



 ふだんから元気のない人が、ささいなことでくよくよしたり、悲しんだりすると、特に脾の機能が乱れやすくなります。



 そのため、心の活動に必要なエネルギーが不足します。



 このような心気虚の状態になると、動悸が強くなり、息切れがして顔が蒼白になるほか、疲れやすい、汗をかきやすい、冷えやすい、舌が淡白で濡れて歯の痕がつく、脈が弱くなったり、脈拍が遅くなってリズムが不規則になるといった症状が現れます。



 ひどい場合には、恍惚状態となり、驚きやすくなったり、恐怖感が強くなり、悲しんだり、すぐ泣き、わけのわからないことをいうようになります。



 気と血の源は同じです。



 そのため、多くの場合、気虚は血虚を併発し、血虚の症状をともなうと「気血両虚」となります。



 このような場合は「帰脾湯」を使います。



 尿の色がやや濃い、口渇、冷えの症状がそれほど強くないときは「加味帰脾湯」がいいでしょう。

最新記事

すべて表示

心のやまい その1

こころの病 その1 こころとからだ――中医学の考え方 五臓のネットワークがこころとからだの健康を支える  中医学では、こころとからだは一体のものであり、したがって、こころに異常が起こると、必ずからだに影響が及び、からだに異常が起こると、必ずこころに影響が及ぶと考えます。...

こころの病 その2

こころの病 その2 本能と理性のバランスによってこころの活動が正常に行われる  中医学では、こころやからだの活動を総称して「神(心神)」といいます。  神は、表情や動作、態度や言語として表現されます。  神には「魄」と「魂」という二つの面があります。...

こころの病 その3

こころの病 その3 感情を表現することによって臓腑の生理機能が正常に戻る   感情には「喜」「怒」「憂」「思」「悲」「恐」「驚」の七つがあります。  これを「七情」といいますが、このうち、心と喜、肝と怒、肺と悲、脾と思、腎と恐のように、特に五臓と関係の深いものを「五志」とい...

Comments


bottom of page