こころの病 その4
原因が取り除かれても臓腑の機能失調が残る
しかし、刺激が強すぎたり、刺激を受ける時間が長すぎると、臓腑の協調とバランスがくずれます(実証)。
この状態が続き、気や血、津液や精をつくって全身に送る働きが低下するようになると(虚実挟雑証あるいは虚証)、心の気や血、陰液が損なわれ、心神の異常によるさまざまな症状が現れます。
人体の陰陽のバランスが限界を超えて変化するので、陰陽の失調を正常に戻せなくなります。
こころの病いは、こうして始まります。
いいかえると、実証は臓腑機能の乱れやうっ滞が主で「鬱証」に相当し、まだ基本物質の損傷がないか少ないものをさします。
これに対して虚証の多くは、すでに五臓の機能失調が基本物質を損なっている状態です。
そのうち、鬱証がいっそう進んで起こったものには「実」が残っており、「虚実挟雑」もみられることになります。
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