こころの病 その7
やり場のない怒りが内蔵の機能を失調させる
まず、鬱怒傷肝によって起こるこころの病いについて考えてみましょう。
心因性の症状は、必ず心を中心に起こります。
しかし、魂は肝に内蔵されているため、肝の機能失調はこころの病いを考える上で重要な位置をしめているといえます。
怒は肝の機能を失調させます。
たとえば、心配事があり、不快感や不満を解消できず、怒りをぶつけるところがないために、悶々とした状態が続いたり、激しい怒りを覚えると、肝の機能が失われます(肝失疏泄)。
「疏泄」とは、流れや通りをよくするという意味です。
肝は、全身の機能が順調に働くように、気や血、津液の流れを調節するとともに、精神情緒の調節を行っています。
血流量を調節して、筋や腱をしなやかにし、脾の消化・吸収機能を調節することなども、肝の疏泄といいます。
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