こころの病 その8
機能の失調が長びくとほかの臓器にも影響がおよぶ
鬱怒傷肝タイプのこころの病いは、肝の疏泄機能が失調した「気鬱」からはじまります。
これが続くと気が滞り(気滞)、血や津液の流れも滞って、疼痛や脹満が現れます(血鬱・痰鬱)。
また、気滞が進むと、肝の機能が異常に亢進したり盛んになって、気が本来とは違う方向に働くようになります(気逆)。
気逆のうち、からだの上のほうに行く「上逆」では頭や顔の症状が起こり、熱を帯びると症状が激しくなります。
また、脾胃をおかす「横逆」では胃腸症状が起こります。
さらに慢性化すると、血や精を消耗して心や腎を障害するようになります。
肝の疏泄機能が長い間滞ったり、激しい怒りにあうと、気が火(熱)となって、からだの上部に昇ります(火鬱)。
この火は血や津液、精を消耗するため、やがては肝腎陰虚の状態になります。
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