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執筆者の写真kampo shinsendo

たかがニキビ、されどニキビ その3

【主な症状と治療の実際】 その1


「肺」に問題がある場合


①思春期などに多いニキビ


ニキビの中で最も多いのは、思春期などに見られる泡粒大の赤い発疹です。


このようなニキビは、主として「肺」の熱が原因で起こります。


治療としては、肺にある熱の勢いを抑え、解毒して化膿を防ぐ「清上防風湯」が適しています。


配合のバランスがよく、それほど強い薬でもないため、性別や年齢を問わず、幅広く顔の皮膚の炎症に使うことができる薬です。


ほかに「麻杏甘石湯」+「黄連解毒湯」や、「五虎湯」+「黄連解毒湯」などを用いることもあります。


②化膿しやすいニキビ、白っぽいニキビ


「清上防風湯」は、ニキビ治療に幅広く使える薬ですが、特に化膿しやすい場合には「治頭瘡一方」のように化膿を止める力が強い薬を用います。


この薬には大黄がはいっているため、熱性の便秘をともなう場合にも利用することができます。


また、化膿もなく赤みも強くないというニキビには、「ハトムギ茶」がよいでしょう。


できれば多少お値段がはりますが「発芽ハトムギ」がよりよいでしょう。


痛みがひどいニキビには、「桔梗と石膏」のエキスを加えます。


以上の処方は、ニキビ治療の基本となるものですが、脾胃や肝に問題があってニキビができている場合は、まず、根本的な治療が必要です。


そのうえで、ニキビの状態に合わせてこれらの薬を併用するとよいでしょう。

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