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執筆者の写真kampo shinsendo

たかがニキビ、されどニキビ その4

【主な症状と治療の実際】 その2


肝に関係したニキビ


①月経前に出るニキビ


女性で、月経前になるとニキビが出やすく、ニキビの色も黒っぽいという場合は、血の機能が失調して、体内に熱がこもってしまった状態と考えられます。


この場合は、熱を取り除いて解毒する働きと、血の機能を回復させる働きを合わせ持った 「温清飲」(「四物湯」+「黄連解毒湯」)がよいでしょう。


また、熱の力が強く、すぐに化膿してしまうような場合には「荊芥連翹湯」を用いることもあります。


②月経不順や月経痛をともなうニキビ


月経の前になるとニキビが出るだけでなく、月経不順や激しい月経痛がある場合は、血の機能に問題が起こっていると考えられます。


このときは、まず「桂枝茯苓丸」のような薬で、血の機能を回復させることが大切です。


三十台以降になって生理不順が起こったような場合には、「加味逍遥散」や「芎帰調血飲」などもよいでしょう。


ただし、これらは直接ニキビを治す薬ではないため、「清上防風湯」や「荊芥連翹湯」、「黄連解毒湯」などを、ニキビの程度に合わせて併用するようにします。


③側頭部や胸・肩などにできるニキビ


血に関係する症状に加えて、イライラしやすい、脇腹や乳房が張る、灼熱感があるといった症状をともなう場合には、血そのものより、血をコントロールしている「肝」に熱がこもっていると考えられます。


この場合、ニキビのでき方も、側頭部(こめかみから耳の前あたり)や胸・肩などに多いという特徴があります。


このようなタイプのニキビには、肝の熱を取り除き、機能を正常に戻す「竜胆寫肝湯」という薬が効果的です。

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