③肺気陰両虚
今までお話したことと同じ原因で肺気虚と肺陰虚の両方が同時に見られる病態で、単純な肺気虚や肺陰虚よりもこの病態のほうが一般的です。
気(機能)は陰血(物質)をもとに生まれ、陰血は気によって生成され運ばれるので、一方の不足が次第にもう一方の不足をひきおこすからです。
症状は、慢性にくり返すむせるような咳や痰が少ないなどの肺陰虚の症状に、息切れや元気不足・疲れやすいなどの肺気虚の両方の症状をともないます。
治法は、肺の機能を高めると同時に滋潤と栄養を与えることで弱った機能を正常化する《益気滋陰・補肺》を行います。
主な生薬は、人参・五味子・麦門冬など。
処方は、三つの生薬から一文字ずつとった『麦味参』がいいでしょう。
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