top of page
  • 執筆者の写真kampo shinsendo

なかなか治らない咳 その13

②肺腎陽虚



肺と腎の陽気が衰弱して虚寒が生じ、肺気の虚弱による咳がつづく病態といえます。



主に機能面が衰えて、エネルギー代謝や循環の低下による寒冷症状をともなう状態に相当します。



症状としては、元気のない慢性にくり返す咳、白っぽい塩辛い味のする咳、動くとひどくなる咳など、肺気の虚弱症状と、膝や腰の無力感、強く咳をすると尿漏れしたり、頻繁な夜間尿と冷えや寒さ、さらには元気がなくむくみをともなったり、舌質が淡で水はけが悪いためぼってりしている、水っぽい舌苔、脈は無力で沈んでいるなどの腎陽不足の症状が見られます。



治法は、全身を温めてエネルギー代謝を高め、機能を強めることにより咳を止める 《温補肺腎・止咳》を行います。



処方は、八味地黄丸に五味子・補骨脂を加えたものをつかいます。

最新記事

すべて表示

なかなか治らない咳 その1

よく風邪をひいたあと、いつまでも咳だけが残って相談にいらっしゃる方があります。 このようなときには、肺の機能を低下させている原因や、症状の違いをよく見極めて治療しなければなりません。 咳の原因と治療にはどのようなものがあるのか、それぞれのタイプに分けて考えてみましょう。...

なかなか治らない咳 その2

前回説明した「宣発」と「粛降」は協調関係にあって、一方が順調であれば他方も順調ですが、一方が失調すると他方も失調します。「宣発」と「粛降」の異常により、肺気が下降しなくなって上逆(じょうぎゃく)すると咳が発生します。 急性の咳...

なかなか治らない咳 その3

②風熱犯肺 風熱の邪が肺を犯し、粛降を阻害したために肺気が上逆する病態です。 ウイルスや細菌などによる炎症性の咳に相当し、年間を通じてみられます。 症状としては、咳や黄色あるいは粘稠な痰がみられ、咽痛・鼻づまり・黄色い鼻汁・頭痛・発熱などをともないます。...

コメント


bottom of page