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執筆者の写真kampo shinsendo

なかなか治らない咳 その15

肝気犯肺



精神的な抑うつにともなって肝気が鬱し、肝の疎泄が失調して肺に及び、肺の気の粛降を阻害して上逆させ、咳を発生させる病態です。



精神的ストレスによって起こされる神経性の咳の発作に相当し、緊張や激しい怒り、精神的重圧や心労などがひきがねになって発作がひきおこされます。



症状としては、憂うつ感やイライラ、怒りっぽい、胸脇部が張って苦しいなどの肝気鬱血の症状があり、情緒の変動や緊張にともなって激しい咳きこみ、切れにくい痰、甚だしいと痰に血が混じったり、胸苦しい、胸痛などの発作が生じます。



治法は、精神的緊張をやわらげ自律神経系を調節して肝の疎泄を正常化し、痰を除いて咳を止める《疎肝解鬱・化痰止咳》を行います。



処方は、加味逍遥散合半夏厚朴湯がいいでしょう。

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