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執筆者の写真kampo shinsendo

なかなか治らない咳 その3

②風熱犯肺



風熱の邪が肺を犯し、粛降を阻害したために肺気が上逆する病態です。



ウイルスや細菌などによる炎症性の咳に相当し、年間を通じてみられます。



症状としては、咳や黄色あるいは粘稠な痰がみられ、咽痛・鼻づまり・黄色い鼻汁・頭痛・発熱などをともないます。



治法としては、炎症をしずめ発散することにより風熱の邪を外に除き、肺気の粛降を回復させる《疎風清熱・止咳》をおこないます。



主な薬物は、桑葉・菊花・薄荷・杏仁・桔梗などで、『桑菊飲』を使います。



③燥邪犯肺



乾燥した環境のもとでの、気道の乾燥やウイルスの侵入などで生じる咳である。



燥邪が肺の津液(潤い)を消耗するために、肺気が粛降できずに上逆してしまう病態です。



空気が乾燥しやすい秋などの季節に多く見られます。



暖かい時に発症する温燥と、涼しい時に発症する涼燥とがあります。



〈温燥〉



温燥の邪が肺を犯した病態です。



症状はから咳・粘稠で切れにくい痰に、鼻や咽の乾燥・のどの渇き・発熱・舌の乾燥などをともないます。



治法は、消炎し滋潤しながら温燥の邪を除く《清宣涼潤》を行います。



処方は『桑杏湯』です。



〈涼燥〉



涼燥の邪が肺を犯した病態で、秋の乾燥と次にやってくる寒い冬の両方が存在する晩秋に発生します。



咳・うすい痰とともに鼻づまり・悪寒などがみられます。



治法は、強く温めずに乾燥にも注意をはらい、軽く発散して涼燥の邪を除く《軽宣涼燥》を行い、処方は『杏蘇散』を使います。

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