やや長びく咳
急性の咳から始まり、一週間から十日以上も持続する咳で、急性の段階から邪がやや深く侵入した病態です。
急性期の治療が不適切であったり、体質とのかね合いでひきおこされます。
①肺熱
風寒の邪が体表を犯したのち体温によって化熱したり、風熱の邪が肺に侵入したり、または温燥の邪が化熱するなど、外邪が化熱したのちに肺に深く侵入し、肺を熱灼して肺の粛降を阻害するために咳がつづく病態です。
肺と気管支の炎症に相当します。
年間を通じて「かぜひきの咳」としては最もよくみられ、とくに子供や体力のある青・壮年がよく罹患します。
長びくと肺癰(はいよう)や痰熱阻肺あるいは肺陰虚に進行します。
症状は、強い咳き込み(とくに夜間が多い)・黄色い痰・呼吸が荒いなどの症状とともに、のどの渇き・胸痛・舌質が紅・黄色い舌苔・脈が速いなどがみられます。
また高熱をともなうこともあります。
治法としては、肺の炎症を除き熱を冷ますことにより咳を止める《清肺泄熱》を行います。
方剤は、麻杏甘石湯・五虎湯をつかいます。
Comments