【中医学からみたひざの痛み】 その10
腎の栄養やうるおいが不足したときは「水のおおもと」を補う
老化によって腎の働きがおとろえると、陽気と陰液の協調が失われます。
このうち、陰液が不足する「腎陰虚(じんいんきょ)」の状態になると、からだの上が熱く下が冷えるようになるため、ひざが冷えて痛み、温めたりさすると痛みが和らぐようになります。
また、めまい・耳鳴り・イライラ・口が渇く・上半身がほてる・腰がだるい・ねあせ・脈が細で脈拍が速い・舌がやや紅い、といった症状があらわれるほか、陰液の不足が進むと、やせる・舌の色が紅く光ったようにみえるなどの症状も加わるようになります。
治療は、「水のおおもと」である腎の陰液を補う「六味丸」や「左帰丸」がいいでしょう。
また、イライラやねあせなどの熱症状が目立つ時は、熱をさます力の強い「知柏地黄丸」、目のかすみや視力減退などの「肝陰虚」の症状が加わったときは、腎と肝のうるおいを補う「杞菊地黄丸」が効果的です。
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