【中医学からみたひざの痛み】 その11
冷えが非常に強いときは「火のおおもと」を補う
一方、腎の陽気のおとろえが激しくなったときは、からだを十分に温められなくなるため、全身がいつも冷えた状態になります。
このような「腎陽虚」の状態では、元気がない・顔色が青白い・寒がる・頭のふらつき・耳鳴り・腰やひざに力が入らず、冷えて痛む・手足の冷え・むくみ・尿が透明で量が多い・夜間頻尿あるいは排尿困難・舌がはれぼったくなって淡い色になり、つるつるした苔がつく・脈が「細遅」、といった症状があらわれます。
さらに陽気のおとろえが進むと、むくみがひどくなり、不消化の下痢あるいは明け方の水様便・呼吸困難などの症状をともなうようになります。
治療は、「火のおおもと」である腎の陽気を補う「鹿茸大補湯」「八味地黄丸」や「牛車腎気丸」で行います。
腎や肝の働きを高めるとともに、精や血、気を補い、冷えや有害な水分である「寒湿」を除く「独活寄生湯」や「右帰飲」などもいいでしょう。
さらに病気が進んで症状が強くなった場合には、「鹿茸大補湯」に「回陽救逆」を合わせて治療を行います。
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