【中医学からみたひざの痛み】 その4
【急に起こりやすい一時的なひざの痛みの診断と治療】
水分代謝常で急に起こるひざの痛みは有害な水分を除いて治療する
からだの活動に必要な水分である津液は、消化と吸収を行う「脾胃(ひい)」でつくられ、腎の働きを受けながら、「肺」によっての異全身に送られます。
食生活の不摂生や過労、老化、慢性病などが原因で脾胃の働きがおとろえると、肺の働きもおとろえて、水分代謝が悪くなり、からだの中に、有害な水分である「水湿」が生まれます。
水湿は、全身にはりめぐらされた通路である「三焦(さんしょう)」に停滞し、からだの表面近くにたまります。
このとき、雨にぬれたり、湿度の高い環境にさらされるなどが原因で風邪と湿邪が侵入すると、発熱や悪寒をともなって、ひざが急にはれて痛むことがあります。
このような「風水(ふうすい)」と呼ばれるひざの痛みは、中年以降だけでなく、比較的若い人にも起こります。
上半身を中心とした全身のむくみのほか、ひざの関節に水がたまってしびれる・汗が出ない・尿の量が少なくなる・舌が淡い紅になって白い苔がつく・脈が「沈」などの症状をともないます。
治療は、脾胃と肺の働きを補いながら、有害な水分を尿として除く「越婢加朮湯」で行います。
また、ひざの冷えが強いときは、からだを温めて寒邪を除く力の強い炮附子末を加えるといいでしょう。
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