【中医学からみたひざの痛み】 その6
体内に有害な水分がたまり、冷えが侵入してひざが痛むときは、体内を温め表面の冷えを除く
冷たいものや生ものの食べすぎや偏食がつづくと、からだの中が冷え、脾胃の働きが停滞するため、有害な水分である水湿が生まれます。
このとき、寒い風にあたるなどしてからだが冷えると、からだの表面と内臓がともに冷えます。
そのため肺や脾胃の働きがさらに妨げられて、水湿が増え、気や血の流れが滞るようになります。
このような「内生寒湿・外感風寒」タイプのひざの痛みは、冷えるほどひざの痛みが強くなるのが特徴です。
また、頭から肩にかけてのこわばった痛み・寒け・足の冷えが強い、あるいはからだの上が熱く下が冷える・腹部のうずくような痛み・嘔吐・舌が青紫色になって白い苔がつく・脈が「緊」あるいは「弦」で、「遅」、といった症状をともないます。
治療は、からだの表面を温めて冷えを除くとともに、脾胃を温めて働きを回復し、冷えや有害な水分を除いて気や血の流れを回復する「五積散」で行います。
冷えによる症状が重いときは、温める力を強める炮附子末あるいは「桂枝加苓朮附湯」を合わせて使うといいでしょう。
Comments