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執筆者の写真kampo shinsendo

ひざの痛み その7

【中医学からみたひざの痛み】 その7



 一時的なひざの痛みが長びいて安静時も痛んだり、ひざが変形するときは有害な水分を除く力の強い薬で治療する。



 一時的なひざの痛みが長びき、冷えや有害な水分が除かれないまま長い時間がたってしまうと、湿邪の力は強くなり、からだの奥深く入りこんで「湿毒」になります。



 湿毒が、筋膜や腱に栄養やうるおいをあたえる血を傷つけ、流れを滞らせると、粘性の高い有害な水分である「痰(たん)」が生まれます。



 このような状態では、しびれをともなうひざの痛みが激しくなります。



 痛みは安静時にも起こるようになり、とくに夜間に強くなります。



 冷えも強く、靭帯がひきつったり、曲げ伸ばしをしにくくなるほか、ひざの関節が変形したり、ひざに水がたまることもあり、脈が「細弦(さいげん)」になります。



 治療は、冷えや有害な水分を除きながら、血の滞りを解消して流れを回復し、痛みを止める「薏以仁湯」で行います。

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