【中医学からみたひざの痛み】 その8
【慢性的にくりかえすひざの痛みの診断と治療】
元気がない人のひざの痛みは脾胃や肺の働きを高めて抵抗力をつけ、有害な水分を除いて治療する
老化のために腎の働きが次第におとろえると、脾胃と肺の働きがおとろえます。
そのため、皮膚の働きを正常に保って病邪の侵入を防ぐ「衛気(えき)」の力が弱くなり、抵抗力が低下するだけでなく、発汗を調節する働きも乱れて、からだの中で有害な水分が生まれます。
ひざの痛みとともに、むくみやすい・からだが重い・元気がない・汗が出やすい・疲れやすい・息切れ・声が小さく聞き取りにくい・食欲不振・尿量が減る・大便が泥状・軽い寒気があり・風にあたるのをいやがる・風邪をひきやすい、といった症状がみられます。
このような状態では、風邪(ふうじゃ)とともに湿邪が侵入しやすく、ひざが腫れてむくみ、ひざに水がたまることがあるほか、舌の色が淡く白い苔がつき、脈が「緩(かん)」になります。
この「風湿」タイプのひざの痛みは、脾胃と肺の働きを助け、衛気を補って抵抗力を高めるとともに、有害な水分を尿として除く「防己黄耆湯」で治療します。
腫れやむくみなどがなく、痛みだけがある時は、脾胃の働きを補いながら全身の元気をつける「療方昇陽」に「麻黄附子細辛湯」を合わせたものを使います。
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