【中医学からみたひざの痛み】 その9
栄養とうるおいが不足しておこるひざの痛みは、血行を回復して治療する
腎の働きがおとろえて、精から血をつくることができなかったり、ストレスや慢性病、出血などが原因になると、栄養やうるおいが不足する「血虚(けっきょ)」の状態になります。
このとき、雨にぬれたり、湿度の高い環境に長時間さらさされたりすると、気や血の流れが滞るようになります。
そのため、しびれをともなって、ひきつるようなひざの痛みが続くようになり、血行が悪くなるほど、痛みはとくに夜間に強くなり、じっとしていても痛むようになります。
このような「血虚風湿」タイプのひざの痛みは、皮膚につやがない・筋肉が強くひきつる・ものがぼやけて見える・髪の毛がやせてつやがなくなる・頭がふらつく・舌が淡い色になって白い苔がつく・脈が細緩などの症状をともないます。
月経や出産などによって血虚になりやすい女性に多くみられます。
治療は、風邪と湿邪を除きながら血を補って血行を回復する「疎経活血湯」で行います。
痛みがあまり強くなく、尿が出ない・むくみなどの症状をともなうときは、血を補って肝の働きを整えるとともに、脾胃の働きを高めながら湿邪を除く「当帰芍薬散」が効果的な場合があります。
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