【弱いめまい】【虚損】
③腎精不足
先天的な虚弱・老化・過度の性生活・多産などによって、腎精が不足して脳を上栄できないために生じる病態です。
「髄海空虚」とも称され、「腎は精を蔵し、精は髄を生じ、髄が集まって脳となる」ので、原因は腎精の不足です。
脳の代謝・栄養・循環などすべてが衰えた状態に相当します。
症状は、頭のふらつき・めまい感が慢性的に持続し、思考力減退・耳鳴り・物忘れ・目のかすみ・腰や下肢がだるく無力などをともないます。
陽気の衰弱を伴うと冷え・寒がるなどの虚寒の症状が現れ、陰虚が顕著になるとほてり・のぼせなどの虚熱が生じます。
虚熱が甚だしくなると前述の「陰虚陽亢」の状態になり、めまいが強くなります。
治法は、生命の根源である精を養う物質を補充する《補腎益精》を行います。
処方は、六味丸・亀鹿二仙膠・左帰丸。
虚寒を呈するときは、温陽散寒の附子・肉桂などを加えます。
処方は、八味地黄丸・右帰丸。
虚熱を呈するときは、清虚熱の牡丹皮・地骨皮・知母などを加えます。
処方は、知柏地黄丸。
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