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執筆者の写真kampo shinsendo

不妊 その3

【腎虚】



③腎陰虚



腎精の不足とともに温めるエネルギーの陽気が相対的に余るためにそれが虚熱となって、女性では子宮を養うことができず、男性では精液の生産が不足するだけでなく、火熱によって乱されたり精や血が消耗されるために、不妊を引き起こす病態といえます。



症状は、腎精不足の症状のほかに、体の熱感・のぼせ・手足のほてり・寝汗・舌質が紅・舌苔が少ない・脈が細く速いなどの症状がみられます。



女性では月経周期が短くなる・月経血量が少ない・不正出血など、男性では性欲の亢進・持続性の勃起・射精できないなどをともないます。



治法は、腎精を補充して虚熱を冷ます《補腎益精・清虚熱》を行います。



処方は、知柏地黄丸・六味地黄丸など。

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