top of page
執筆者の写真kampo shinsendo

不妊 その8

不妊の最終回です。



【血瘀】



肝気鬱血の気滞による血流阻滞、陽虚・気虚による血液の推動力が無い、陰虚・血虚の血液濃縮にともなう血行阻滞など、さまざまな原因で血行が阻滞されて血瘀が生じ、胞宮(子宮)が栄養されず精液の流れが渋滞するために、不妊をきたす病態です。



症状は、不妊とともに、女性では月経痛・月経血の中に凝血・月経周期の延長・無月経などが、男性では睾丸や鼠径部の痛み・陰嚢の下墜や腫脹あるいは静脈瘤などがみられます。



治法は、うっ血を取り除き血行を促進する《活血化瘀》を行います。



処方としては、療方調血・血腑逐瘀丸など。

最新記事

すべて表示

不妊 その1

不妊とは、妊娠適齢期の女性が避妊を行わずに、結婚後三年以上経過しても妊娠しない、あるいは妊娠ののち数年を経ても再度妊娠しないことをさします。 原因が女性側・男性側のいずれか、あるいはその両方にある場合が考えられます。 女性の生理の周期に合わせて治療する、周期療法もありますが...

不妊 その2

【腎虚】 ②腎陽虚 腎精とともに陽気が不足し、女性は子宮を温めて精子を受納したり卵子や子宮全体を養育する能力がなく、男性では精子を培養する能力がなくなるために、不妊をひきおこす病態です。 症状は、腎精不足の症状以外に、元気がない・四肢が冷える・寒がる・寒冷をきらう・夜間頻尿...

不妊 その3

【腎虚】 ③腎陰虚 腎精の不足とともに温めるエネルギーの陽気が相対的に余るためにそれが虚熱となって、女性では子宮を養うことができず、男性では精液の生産が不足するだけでなく、火熱によって乱されたり精や血が消耗されるために、不妊を引き起こす病態といえます。...

Comments


bottom of page