中医学で考える高血圧の原因とメカニズム その4
活動エネルギーが異常に高ぶり進む場合
激しく怒るといった、心の異常な急変や、生活環境の激変などが引き金になると、たとえ陰液が正常でも、からだの機能を調節する肝の働きが異常に高ぶり進むため、炎が上に突き上げるような、激しい急性の熱症状が起こります(肝火上炎)。
頭がふらついてクルクルまわる、顔面の紅潮、目の充血、口が苦い、頭が割れるように痛んだり張るというように、からだの上部、特に頭と顔に症状が集中します。
ひどい場合には、突然意識を失って倒れることもある、危険な状態です。
脈は、弦をピンと張ったようになって柔軟性を失い、脈拍数が多くなります。
舌は熱のために先端や辺縁が紅くなり、苔は乾燥して黄色くなります。
このような症状に便秘や下痢、尿の色が濃い、頻尿、少量の尿、排尿痛、悪臭のある帯下、不正出血といった、からだ下部の熱症状をともなうときには、肝の火を消し、下半身の熱を追い出す「竜胆瀉肝湯」を使うといいでしょう。
このようなタイプは急性の高血圧症にあたります。この段階を越えると、やがて正常な機能を失った活動エネルギーが火に変化し、絶えず陰液を消耗します。
そのため、相対的に余った活動エネルギーを抑えることがいっそうできなくなり、肝だけでなく腎の陰精をも消耗して(陰虚陽亢)、慢性的な高血圧症になります。
高血圧症はこのケースで起こることが最も多いと考えられます。
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