中医学で考える高血圧の原因とメカニズム その5
「無症状高血圧症」はからだのバランスを整えて治す
よく、血圧が高いのに症状がないことがあります。
これは高血圧に特有の症状がないだけであって、実際には、からだの不調を示す症状が起こっているのですが、症状がいつの間にか消えていたりして、違和感を感じなくなっているのです。
しかし、陰液の不足が進み、バランスがくずれて活動エネルギーが相対的に高ぶり進むと、雲の上を歩いているような感じのめまいや頭痛、イライラ、のぼせなど、高血圧によくみられる症状が起こります。
また、場合によっては、からだの先端部に栄養物質が行きわたらなくなるので、手足のしびれなども現れます。
ただ、このような症状が長くは続かず自然に回復する場合には、自己調節機能がまだ正常に働いていると考えられます。
ですから、この時期に、たまたま健康診断などで高血圧が分かったからといって、むやみに降圧剤を使うのは、必ずしもよいとはいえません。
血圧が高いのに高血圧の症状がない「無症状高血圧症」に降圧剤を使うと、場合によっては、かえってバランスをくずすこともあるのです。
中医学では、このような場合、単に血圧の数値だけに目を奪われることなく、陰液と活動エネルギーのバランスを調整するための治療を考えます。
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