top of page
執筆者の写真kampo shinsendo

中医学で考える不眠症 その10

中医学で考える不眠症とは その10



ストレスが消化機能を損なって起こる不眠症



 肝は消化作用をコントロールする機能をもっているので、肝の機能失調は、脾胃に影響しやすい傾向があります。



 脾胃の機能が失調すると、津液がめぐらず、「痰湿」という病理産物に変化します。



 さらに、肝鬱によって生まれた熱と痰湿が結びつくと「痰熱」が生まれます。



 痰熱が心におよぶと、心火が激しくなって神の安定を乱します。



 このような「痰熱内擾」の不眠症では、口が苦い、目がくらむ、頭が重い、ムカムカする、吐き気、ゲップ、たんが多くなる、といった症状のほか、舌質が紅くなってべっとりとした「膩苔」がつき、玉をころがすような脈が現れ、脈拍数が多くなります。



 この場合には「星火温胆湯」で治療します。

最新記事

すべて表示

中医学で考える不眠症 その1

中医学で考える不眠症とは その1   不眠症は、内臓の働きの異常を示す症状  中医学では、「臓腑」の機能が失調し、これが、「心」の働きを損なって、「神」が不安定になるため、不眠症が起こると考えます。  臓腑の機能失調の原因となるのは、外から侵入する「病邪」のほか、感情の変化...

中医学で考える不眠症 その2

中医学で考える不眠症とは その2 からだの内部の状態は総括して表現される  内臓や器官、組織といった、からだの内部の活動状態は、英知や動作、言語、目の輝きや顔の表情などとして現れます。  これらを総称して、中医学では「神(心神:しんしん)」といいます。...

中医学で考える不眠症 その3

中医学で考える不眠症とは その3 心の動きが、睡眠に影響する  「心は神を蔵す」というように、神が正常に表現されるかどうかは、心が正常に働くかどうかによって決まります。  また「心は五臓六腑の大主」というように、心はすべての臓腑の働きを統轄しています。...

Comments


bottom of page