top of page
執筆者の写真kampo shinsendo

中医学で考える不眠症 その6

中医学で考える不眠症とは その6



心の栄養が不足するために起こる不眠症



 心血が不足すると、心血虚の状態となります。



 相対的に余った心陽は熱を帯び、心火となって燃え上がります。



 そのため神は正常なリズムを失って、夜になっても動の状態が静まらず、眠れなくなります。



 心血虚の原因として最もよく見られるのは「脾気虚」です。



 というのは、心血は脾胃でつくられるからです。



 脾気虚になると、食欲がなく少ししか食べられない、おいしくない、息切れ、話すのがおっくう、声に力がない、軟便になったり下痢をするといった症状が現れます。



 そのため、心血の源が不足して心は潤いと栄養を失い、心血虚の状態になります。



 心血虚になると、寝つきが悪くなり、夢をよく見るようになります。



 また、眠りが浅くなったり、朝早く目覚めてしまうようになります。



 これに、動悸がある、元気がない、顔のつやがない、唇の色が淡い、といった症状をともないます。



 また、舌質の色が淡白になり、脈が細く弱くなるか、細く緩やかで無力になります。



 このような「心脾両虚」の症状がある場合には「加味帰脾湯」や「帰脾湯」を使います。

最新記事

すべて表示

中医学で考える不眠症 その1

中医学で考える不眠症とは その1   不眠症は、内臓の働きの異常を示す症状  中医学では、「臓腑」の機能が失調し、これが、「心」の働きを損なって、「神」が不安定になるため、不眠症が起こると考えます。  臓腑の機能失調の原因となるのは、外から侵入する「病邪」のほか、感情の変化...

中医学で考える不眠症 その2

中医学で考える不眠症とは その2 からだの内部の状態は総括して表現される  内臓や器官、組織といった、からだの内部の活動状態は、英知や動作、言語、目の輝きや顔の表情などとして現れます。  これらを総称して、中医学では「神(心神:しんしん)」といいます。...

中医学で考える不眠症 その3

中医学で考える不眠症とは その3 心の動きが、睡眠に影響する  「心は神を蔵す」というように、神が正常に表現されるかどうかは、心が正常に働くかどうかによって決まります。  また「心は五臓六腑の大主」というように、心はすべての臓腑の働きを統轄しています。...

Comments


bottom of page