中医学で考える不眠症とは その6
心の栄養が不足するために起こる不眠症
心血が不足すると、心血虚の状態となります。
相対的に余った心陽は熱を帯び、心火となって燃え上がります。
そのため神は正常なリズムを失って、夜になっても動の状態が静まらず、眠れなくなります。
心血虚の原因として最もよく見られるのは「脾気虚」です。
というのは、心血は脾胃でつくられるからです。
脾気虚になると、食欲がなく少ししか食べられない、おいしくない、息切れ、話すのがおっくう、声に力がない、軟便になったり下痢をするといった症状が現れます。
そのため、心血の源が不足して心は潤いと栄養を失い、心血虚の状態になります。
心血虚になると、寝つきが悪くなり、夢をよく見るようになります。
また、眠りが浅くなったり、朝早く目覚めてしまうようになります。
これに、動悸がある、元気がない、顔のつやがない、唇の色が淡い、といった症状をともないます。
また、舌質の色が淡白になり、脈が細く弱くなるか、細く緩やかで無力になります。
このような「心脾両虚」の症状がある場合には「加味帰脾湯」や「帰脾湯」を使います。
Comments