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執筆者の写真kampo shinsendo

中医学で考える不眠症 その9

中医学で考える不眠症とは その9



ストレスが精神情緒を乱して起こる不眠症 その2



 肝と心は母と子の関係にあるので、肝で生まれた火は心に移って「心肝火旺」の激しい熱症状を引き起こし、一晩中眠れなくなります。



 また、舌の先端や縁の部分が紅絳(濃い紅)色になり、脈は弦を張ったようで、しかもなめらかになります。


 


 このときは、実火を取り除く「三黄瀉心湯」や「黄連解毒湯」「瀉火利湿顆粒」といった苦寒の薬を使用します。



 この状態がしばらく続くと、やがて肝血が消耗されて傷つき、「肝鬱血虚」の状態となります。



 肝血が失われると心血も不足して「心肝血虚」で火が非常に激しい状態となります。



 これは「虚実錯雑」という複雑な病態で、心の症状である不眠や動悸に加えて、肝の症状である胸の脇の張りや痛み、口が苦い、経血量の減少あるいは無月経、腰や背中の張りと痛み、食欲不振、頭のふらつき、目のかすみ、爪のつやがなくなる、舌質が紅くなり舌苔がうすい黄色になる、弦を張ったようで、しかも空虚な脈をふれる、といった症状が現れます。



 このようなタイプの不眠には「療方調律」と「酸棗仁湯」を合わせて使うといいでしょう。

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