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執筆者の写真kampo shinsendo

中医学のかぜ治療法 その1

本来かぜは軽い病気に属します。



「軽い病気には軽い薬」が中医学の原則です。



中医学では、感染症にはまず発汗法を用いて治療することが多いのですが、かぜのような比較的軽い病気と、その他の重い感染症とではまったく異なる薬を用います。



簡単にいうと、重い感染症には強い薬を与え、軽いかぜは軽い発汗薬で治すのです。



軽い病気なのに、強い薬を与えてしまうと、病気が治っていく自然な経過を妨げる結果となり、かえってかぜをこじらせることになります。



軽いかぜだとおもっていたのに、鼻やのどの症状が残ってしまうことがあります。



これは、熱がそれほど高くないのに解熱剤を服んだり、必要もないのに抗菌剤や消炎剤を服用した場合に多いのです。



さて、実際にかぜをひいてしまったらどうしたらいいでしょう。



かぜには寒いかぜ、湿ったかぜ、乾燥したかぜ、のどが痛くて熱っぽいかぜなどがあります。



かぜのひき始めの治療に失敗すると、症状が進行し、すべて熱いかぜにかわってしまいます。



そのため、いずれも初期のうちの治療が重要です。



まず、どのかぜも、からだを温めて、栄養価が高く消化のよいものをとり、安静にして休むことが一番大切です。



さむけを特徴とするさむいかぜの場合は、血行をよくして軽く発散させる薬を与えます。



香蘇散」「川芎茶調散」「人参敗毒散」「荊防敗毒散」などがよいでしょう。



ひき始めから熱いかぜの特徴が現れたときには、「銀翹散」「天津感冒片」のように皮膚の調節機能を回復させ、同時に消炎作用もある薬がよいでしょう。



これは体内にこもってしまった熱を、外に出す働きがあります。

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