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執筆者の写真kampo shinsendo

便秘 その2

【腸胃積熱】



毎日の食事の中で、味の濃いもの・辛いもの・あぶらっこいもの・熱いもの・お酒などの嗜好により、胃腸に熱が停滞して積もり機能を阻害するために便秘をきたす病態です。熱病の経過にも同様の病態が現れることがあります。



胃腸で軽度の炎症や異化作用亢進の病態が続き、消化管内の水分が過剰に吸収されて糞便が硬くなり排便が困難になるほか、発酵によるガス発生・糞便や炎症による刺激のために、腹満や腹痛が現れます。



症状としては、数日間の便秘・硬便・腹満・腹痛・臭いガスがよく出るなどのほか、口臭・のどの渇き・冷たい飲み物を欲しがる・暑がり・尿が濃い・黄色く乾燥した舌苔・脈に力があるなどがみられます。



治法は、胃腸の熱を冷まし、糞便を軟らかくして寫下する《清熱寫下》を行います。


単なる下剤で糞便を出すのではなく、熱を冷ますことによって次に便秘を起こさせないように体質をかえていくことが大切です。



処方は、防風通聖散・桃核承気湯など。

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