【肝鬱気滞】
精神的ストレス・緊張・不安などにより肝の気の働きが(もともと「肝は疏泄を主る」といわれ、気の流れを調節していると考えられています)鬱結し、疏泄が失調して気機の働きが停滞した病態です。
西洋医学的解釈では、自律神経系が緊張するために、自律神経の支配下である腸管も緊張して蠕動がスムーズにできなくなり、排便がうまくできない状態であり、けいれん性便秘に相当します。
「便秘」のうちでかなり多く見られ、西洋薬の下剤では無効なことが多く、有効であっても腹痛などの副作用が強く現れます。
症状は、便秘・便が細い・切れぎれの便・すっきり出ずに残る・少量しか出ないというように排便が不十分かつ不愉快であり、しかも腹満・腹痛・ガスやゲップが多い・いらいら・ゆううつ・怒りっぽい・ヒステリックな反応などをともないます。
ストレスや緊張などにより悪化しやすく、女性では月経前期にこの傾向が強くなることがよくみられます。
治法は、自律神経系の緊張を緩和して機能を円滑にし、排便をスムーズにさせる《疏肝行気・通便》を行います。
処方は、加味逍遥散・逍遥丸・四逆散・柴胡疏肝散・大柴胡湯など。
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