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執筆者の写真kampo shinsendo

冷え性 その5

今日も一日、暖かな日差しは望めないようですね。



でも、気持ちだけは『春の気分』で参りましょう。



『強い冷え』



【寒湿】



②寒湿肌肉停着



寒冷と湿気にさらされたために、寒湿の邪が肌肉から侵入して停着し、体を温める陽気の流れを阻害するために温煦ができなくなり、冷えを感じる病態です。



水分の排泄や発散が妨げられて水分が体内に停滞したり、周りの環境からの湿気が体内に侵入してとどまり、血行を祖滞する状態に相当します。



普段から水を使う仕事の魚屋・八百屋・調理師・魚師・水中作業者など湿気が多く冷たい環境に従事する人に、あるいは汗で濡れて冷えた着衣を着たままで作業をしたり、湿気の多い住居で生活することから、発症することが多くなります。



一般に、「湿邪は下から受ける」といわれ、水分は比較的重いので下方に停留しやすく、下半身だけが冷えることが多くなります。



古人は「水中に座っているようである」とか「腰以下が冷え、五千銭を帯びているように腰が重い」などと表現しています。



症状は、下半身の冷え・下肢の軽度のむくみ・からだが重だるく動かしにくい・腰痛などを感じますが、食欲・排尿・元気などは通常と変わりありません。



なお、この状態が長期にわたり続いたり、くり返したり、元来あまり丈夫でない人がこの状態になると、次第に「陽虚寒湿」に変化していくので、早めの治療が望まれます。



治法は、からだを温めて水分を除く《散寒利湿》を行います。



処方は、桂枝加苓朮附湯です。

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