慢性疲労 その11
「疲労」の予防はやさしいようでむずかしい
「疲労」の原因を除くことが予防ですが、現代の社会、とくに都市社会にはなかなか取り除けない「疲労」の原因となるものが多くあります。
都市で働く人に、心の健康状態が不調であると訴える人が増えています。
住宅ローンの負担、出世観から来る過労、子供の過剰な学習、長時間の通勤、責任ある仕事、多様な人間関係、刺激の多い暮らしなど、「疲労」の原因はいたるところにあるのです。
簡単なようでいて、うまくいかない予防ですが、あえていえば「疲れ」を溜めないということです。
少なくとも「疲労」を初期の段階で回復させて、深い病にまで進展させない心がけが重要です。
まず自分にあった休養のとり方や気分転換のし方を見つけ、同時に今までの生活全体を見直して、改善していくことも大切だといえます。
「疲労」の治療については、病態が多様であるために精密な四診と弁証論治が必要です。
とくに「気」の不足からもたらされる「疲労」とは違って、慢性疲労症候群のように必要不可欠な栄養物の消耗、しかも回復困難な消耗を伴った「疲労」の場合、患者さんに応じた個別の処方が必要となります。
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