排尿困難 その3
排尿困難の原因
排尿困難とは、力を入れないと尿が出ない、尿が出るまでに時間がかかる、尿の出方に勢いがない、尿が出終わるまでに時間がかかる、といった症状をさします。
原因として最も多いのは、腎の機能低下によるものです。
東洋医学では、腎の働きを「腎陰」と「腎陽」に分けて考えていますが、排尿困難にかかわるのは主として腎陽の問題です。
腎陰と腎陽は水と火のような存在で、お互いにバランスを保ちながら働いています。
このうち、からだを温める原動力であり、排尿をコントロールする源でもある腎陽の機能が低下すると、排尿に問題が起こりやすくなるのです。
このほか、気や水分の通り道である三焦の滞り、気の不足、尿の生成にかかわっている臓器の機能失調なども排尿困難の原因になります。
診断・治療は、まず、重度の前立腺肥大や腫瘍などがないことを確かめたうえで、症状、年齢、体質、からだをとりまく環境などから、からだのどこにいちばんの問題があるかを見極めていきます。
それでは次回から、慢性の排尿困難の治療法を具体的に見ていきましょう。
Comments