排尿困難 その5
【排尿困難の治療法】
脾胃気虚――食欲不振や全身のだるさをともなう場合
特に高齢者でなくても、体質素因や過労がもとになって、尿が出はじめるまでに時間がかかる、尿の色が薄くて透明に近い、といった症状が現れることがあります。
これに、いつもだるくて疲れやすい、食欲がない、便秘または下痢しやすい、といった症状が加わる場合は、脾胃の機能が低下して、からだが必要とするエネルギーをうまくつくりだすことができず、それが膀胱の排尿機能にも影響をおよぼしていることが考えられます。
こういう人は、睡眠を十分にとったあとなどはすっきりと尿が出るのに、夕方になって疲れると、出が悪くなるという特徴があります。
この場合は、まず、脾胃の気を補い、消化・吸収力を高める「療方昇陽」で、不足しているエネルギーを補うことが大切です。
ただし、療方昇陽には膀胱の機能を直接コントロールする力はないので、水分代謝を調節する「療方調流」などを合わせます。また、若いのに寒がりで、下半身がむくみやすいような場合には、「療方昇陽」に「真武湯」を合わせたものを使ってもよいでしょう。
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