更年期障害――中医学の考え方 その14
老化によって起こる更年期障害の症状と治療
熱が起こり、症状が激しくなる(相火妄動)
五臓を温め、全身の活動を円滑にする腎陽(気)の生理機能を「相火」といいます。
相火は腎から肝に移り(「肝腎相火」)、全身を温めて、からだに必要な物質代謝を行います。
陰虚が進んで腎陰の損傷が激しくなると、調節を失った相火が異常に亢進し、生理的な火から病的な「邪火」に変化して、からだの上部に向かったり、脾胃の消化・吸収機能を妨げたり、気血や津液の流れを異常に亢進させ、乱すようになります(「相火妄動」)。
水分代謝が乱れ、津液を熱して目に見えないほど小さな滋養物質に変えて全身に送ること(「蒸騰気化」)ができなくなるため、頭痛やめまい、視力低下、耳鳴り、難聴、イライラ、怒りっぽい、手足の熱感、腰や四肢のだるい痛みなどの症状が激しくなり、舌が紅く乾燥し、脈拍数が多くなります。
肝腎陰虚から相火妄動の熱症状が起こる時は、肝と腎の血や津液を補う「知柏地黄丸」を、心腎不交から相火妄動の熱症状が起こるときは、心火を除き心と腎の陰を補う「黄連阿膠湯」がいいでしょう。
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