更年期障害――中医学の考え方 その2
女性のからだは七年ごとに変化する
中医学では、女性のからだは七年ごとに変化すると考えます。
そして、すべてのからだの変化は、腎の機能が成熟し、衰弱していく過程でおこると考えています。
からだの中では、生まれるとすぐに生命活動を維持するための基本物質である「精」や「気」「血」「津液」が充実しはじめます。
そして、精神的・肉体的な発育が整う十四歳前後になると、全身を十分に満たしたこれらの基本物質は、あふれるようになります。
「脾胃」でつくられ肝にたくわえられている血も、このころからあふれはじめます。
あふれた血は、気とともに、気血の通り道(「経絡」)のひとつである「衝脈」と「任脈」を流れ、子宮(「胞宮」)を満たすようになります。
衝脈は全身の経絡を調節し、気血の流れを整えるかなめで、「血海」ともいわれます。
子宮につらなる任脈も、衝脈と同じように、月経に深くかかわっています。
こうして衝任の脈が充実すると月経が始まり、子どもを産む準備が整っていきます。
最初は気血の量が不十分なので、初潮後しばらくの間は月経周期が不安定です。
しかし、衝脈や任脈が気血で十分に満たされるようになると、月経周期は安定するようになります。
やがて四十九歳前後になると、腎の機能がおとろえはじめます。
腎のおとろえが一定のレベルを超えると、衝脈や任脈を流れる気血の量が減り始め、子宮が血で満たされることが徐々になくなってくるので、月経周期や月経期間が乱れたり、経血の量が少なくなり、ついには止まるようになります。
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