top of page
  • 執筆者の写真kampo shinsendo

月経不順 その10

【月経周期が一定しない】



経行先後不定期は、周期が短縮したり延長したりして不規則なことです。



月経周期がたまに乱れるものや、閉経期にみられる先後不定期は、正常と考えられるので、この範疇に入りません。



肝鬱気滞(経行先後不定期)



精神的ストレス・悩み・怒り・緊張・不安などで肝気が鬱血し、疎洩が失調して気血の運行が乱れるために、衝脈任脈を通じて陰血が子宮へ下行することも不規則になり、月経周期が一定しない病態です。



症状としては、悩み・怒り・緊張・不安などの情緒変動あるいは旅行するなどのように、何か事あるごとに月経が乱れ、月経開始の前や初期に痛みをともなうことがあり、いらいら・怒りっぽい・ヒステリックな反応・ゆううつ・ため息・乳房や腹の張りなどがみられます。



治法は、肝気の疎洩を流暢にし、気分をのびやかにし気血の流通を正常化して、月経を調整する《疎肝解鬱・調経》を行います。



処方としては、四逆散・柴胡疎肝散・逍遥散・加味逍遥散などを症状に合わせて使います。

最新記事

すべて表示

月経不順 その1

月経不順 とは、月経の周期・持続日数・経血量が正常範囲をはずれていることをさし、月経痛・経血の色や性状の異常なども含まれています。 月経の周期と持続および経血の量・色・性状には、相互に関連性があり、病態によって相対的に変化が現れますので、注意して観察する必要があります。...

月経不順 その2

月経周期の異常 月経周期は成人で約30日(25日~38日)です。 成長期・閉経期あるいは妊娠・出産・授乳の時期を除くと、あまり大きな変動はありません。 通常の範囲を超えて周期が短いものを 『経行先期(頻発月経)』 、周期が長いものを 『経行後期(稀発月経)』...

月経不順 その3

血熱タイプ(経行先期) ②陰虚 慢性病・熱病・邪熱の停滞・数多くの出産などで陰血が消耗し、陽気が相対的に余って内熱が生じ、その内熱が月経血に影響する病態です。 症状は、月経の周期が短くて経血量が少なく、持続日数も短く、経血色は紅く粘調で、頭のふらつき・めまい・耳鳴り・からだ...

Comments


bottom of page