top of page
執筆者の写真kampo shinsendo

月経痛 その5

月経後半に現れる月経痛



月経の終了時期あるいは月経後にみられる月経痛は、月経によって陰液が排出したのち、子宮(胞宮)を栄養している脈絡(胞脈)への栄養の供給が不足して空虚になるために生じるため、一般的には痛みはそれほど激しくなく、虚弱の症状をともなっています。



①気血不足



脾虚による気血の生成不足あるいは先天的虚弱や過労、慢性病などによる消耗で、気血が不足して推動力が無力になると同時に胞脈の滋養が不十分になるために、痛みが生じる病態です。



症状は、月経期後半あるいは月経後に下腹部がシクシクと痛み、押さえると軽くなり、月経血は気血不足のため痰色で量も少ないことが多く、元気がなかったり、疲れやすい、顔色につやがない、食欲不振、舌質が淡で脈に力がないなどをともないます。



治法は、元気をつけて機能を高めるとともに血を補って、経脈を養い経血を潤沢にする《益気養血》を行います。



処方は、十全大補丸・補中益気丸合婦宝当帰膠を使います。

最新記事

すべて表示

月経痛 その1

月経痛 とは、毎回の月経期あるいは月経前後の数日に、主に下腹痛や腰痛が生じることをいいます。 また、頭・胃・四肢などが痛むこともあり、必ずしも毎回痛まないこともあります。 痛み自体弱いものであったり軽く張る程度であれば、月経痛の範疇にははいりません。...

月経痛 その2

②寒凝(かんぎょう) 寒冷の環境や寒い季節などによって寒邪を感受し、収斂凍結の性質をもつ寒邪が子宮(胞宮)に侵入して経血を凝滞させるために、痛みが生じる病態といえます。 寒さを感じやすい陽虚の体質の場合には、簡単に寒邪を感受して寒凝の病態を引き起こします。...

月経痛 その3

③湿熱 月経時の性交や不潔な性交による陰道からの湿熱(西洋医学的には細菌やウイルス感染をさす)の侵入、辛辣なものや味のこいもの・酒などの嗜好の偏りによって内生した脾胃湿熱の下注などの原因で、湿熱が子宮(胞宮)に停滞して経血を阻滞するために、痛みが生じる病態です。...

Commentaires


bottom of page