【皮膚掻痒症】 その2
中医学からみた皮膚掻痒症
中医学では、皮膚掻痒症を診断するとき、かゆみが出ている部位やかゆみの性質、気候との関連などから原因を判断していきます。
発疹をともなわないかゆみの場合、風あるいは湿熱の邪が関係したものがほとんどです。
からだのあちこちにかゆみが出没する場合は、風邪が関係していると考えられます。
風邪による掻痒症は、季節の変わり目などに起こりやすく、ときに皮膚の乾燥をともなうこともあります。
外陰部や肛門に現れるかゆみは、湿熱の邪によるものです。
このタイプは、蒸し暑い夏に症状がひどくなる傾向があります。
布団の中などで、からだが温まったときにひどくなる人もいます。
このほか湿熱の邪によるかゆみは、頭やひざの裏、ひじの内側などに現れることもあります。
老人性の皮膚掻痒症は、皮膚にうるおいを与える陰液や血が不足して、皮膚が乾燥したり、風や湿熱の邪がからんで起こると考えられます。
乾燥性のかゆみの場合は、気候が乾燥する秋や冬に、症状が出やすくなります。
このほか、灼熱感や痛みをともなうかゆみがある場合は、血熱が関係していることもありますが、比較的まれです。
いずれのタイプも、体質素因を改善しながら、邪を取り去ってかゆみを止める方法で治療していきます。
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