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皮膚掻痒症 その5

執筆者の写真: kampo shinsendokampo shinsendo

皮膚掻痒症 その5



皮膚掻痒症の中医学的治療



③老人性皮膚掻痒症




皮膚が乾燥してかゆい(血の不足)



皮膚にうるおいがなくなり、かゆみが出る老人性皮膚掻痒症には、「当帰飲子」がよく用いられます。



この処方には、老化によって不足した血液を補い、皮膚に栄養とうるおいを与えながら、かゆみをおさえる働きがあります。



皮膚が乾燥してかゆい(腎陰の不足)



腰が重だるい、手のひらや足の裏がほてる、寝汗をよくかくなど、腎陰不足の症状がある場合は、腎陰を補う「六味丸」を用います。



ただし、六味丸には直接かゆみを止める作用がないため、現れているかゆみが乾燥によるものであれば、当帰や天門冬などのうるおいを与える生薬を合わせることが必要です。



かゆみが風のタイプなら、防風・荊芥・蒺藜子・蝉退など風邪を取り除く生薬を、湿熱タイプなら、黄柏・茵蔯・竜胆・苦参・白鮮皮などを併用するとよいでしょう。

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