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  • 執筆者の写真kampo shinsendo

目のかゆみ その1

【目のかゆみの外因】



春は、目のかゆみが出やすい季節です。



ここ十数年はスギ花粉症によるものが圧倒的に多くなっています。



中医学では、かゆみという症状に最も深く関係しているのは、風邪(ふうじゃ)であると考えています。



風邪は、一般にはそれほど強い邪ではないため、かゆみ以外の症状も、涙が出る、乾燥して目が渋る、といった程度です。



このほかに、結膜が赤くなる、痛むといった症状をともなう場合は熱邪(ねつじゃ)によって、結膜にびらんができたり、また腫れて目を開けにくくなる場合は、湿邪(しつじゃ)や湿熱の邪も同時に影響していると考えられます。



【目のかゆみの内因】



中医学では、花粉のように弱い外邪も受け入れてしまうのは、からだの側になんらかの問題があるためと考えます。



そのため治療の際には、現れている症状の性質や経過などを基準に、邪の性質と体の問題点をみきわめ、弱点を補いながら邪を取り除くという方法をとります。



このように、ただ単に症状をおさえるのではなく、根本的な問題から解決していくため、目の症状と、鼻炎症状の両方が現れる場合にもうまく対応することができます。



なお、目のかゆみは、花粉症などアレルギー性のものがほとんどですが、ほかに病原菌によって起こるものがあります。



ただし、痛みよりかゆみのほうが気になる場合は、病原菌の性質もそれほど強いものではないため、基本的な治療方針は、花粉症による目のかゆみと同様です。

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