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執筆者の写真kampo shinsendo

目のかゆみ その3

【目のかゆみの治療法】



①目のかゆみが主症状



主な症状がかゆみである場合、まず考えられるのが風邪(ふうじゃ)によるものです。



(陰陽五行説によると、春は風邪による病気が増加する季節とされている。風邪には、からだの上部や体表面を侵しやすいという特徴がある。)



この場合、涙が出たり、逆に乾燥して目が渋るということはあっても、痛みや熱っぽさなどの症状はほとんど現れません。



こういった症状に適するのは、風邪の初期によく使われる「荊防敗毒散」という方剤です。



風邪を発散させるくすりですので、花粉症による鼻水やくしゃみをともなう場合にも効果的です。



風邪は、邪としての性質はそれほど強いものではないため、からだの抵抗力が充実していれば、症状が現れることもありません。



ですから、このタイプの人は、ふだんから、抵抗力を高めておくことが大切です。



具体的には、花粉症で、風邪などの感染症にもかかりやすいようなら、肺の機能を充実させて抵抗力を高める「玉屏風散(商品名は衛益顆粒)」を、胃腸機能が弱い、疲れやすいなどの症状をともなうなら「補中益気湯」を、症状が現れる数ヶ月前から服用しておくとよいでしょう。



また、寒がりで足腰が冷えやすい体質の人は「麻黄附子細辛湯」がよいでしょう。



ただし、花粉症で目の充血がひどくなったり、痛みが出たりする人には適応しません。

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