慢性的に起こる耳鳴りの症状と治療
生命エネルギーのおおもとが不足すると、慢性的に耳鳴りが起こる(腎陰虚) その1
五十歳前後になれば、だれでも気力や体力がおとろえます。
このような老化現象は、生命エネルギーのおおもととなる腎の精が慢性的に不足して腎の働きがおとろえるために起こります。
からだがこのような状態にあるときに風邪をひいたり、精神情緒が不安定になったり、発汗や出血あるいは下痢、過度のセックス、持続的なストレスなどによる消耗が重なると、腎はさらに傷つけられます(「腎虚」)。
耳や脳に必要な滋養やうるおいが不足するために起こる耳鳴りのほかに、頭のふらつき、のぼせ、イライラ、不眠、口の乾燥、のどの痛み、ほおの紅潮、腰がだるく無力、手足の熱感、午後の発熱などが現れ、舌が紅く苔が少なく、脈は細く脈拍数が多くなるときは、腎の精や津液を補う六味丸に磁石と柴胡を加えた「耳鳴丸」や「左帰飲」などを使います。