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肩こり その5

執筆者の写真: kampo shinsendokampo shinsendo

今日もご来訪に感謝します。



昨日の夜から急に気温が下がって、皆様お風邪を召しませぬようご注意ください。



12月21日は『冬至』。一年のうちで一番夜の時間が長い日です。



中医学では、『昼』を『陽』、『夜』を『陰』と対比して考えていますが、『陰極まって陽となる』という言葉があるように、『陰』の内に『陽』が芽生える日でもあるのです。



しかし、『陽』が『陽』としての働きを表わしてくれるまでには、まだまだ時がかかりそうです。



さて「肩こり」の最終回、「その5」です。



【陰虚陽亢】



慢性病・老化・多産・過度の性生活などが原因で、肝腎の精血が消耗し、陰血が不足するために陽気を抑制できなくなって内熱が血を上昇させて、体の上部に血が充満するために肩こりを起こす病態です。


上部に血が集まってしまいますが、下部では逆に不足がもられ、「上盛下虚」の病態を呈するのが特徴です。



症状は、肩こりとともに局所が硬く、いらいら・のぼせ・ほてり・ねあせ・腰や膝がだるく力が入らない・舌質が紅・舌苔が少ないか無苔・脈が細く速いなどをともないます。



治法は、陰液を補い潤し上部に亢進した火熱を引きもどす《滋陰潜陽》をおこないます。



処方は、知柏地黄丸・寫火補腎丸です。

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