中医学からみた胃のつかえ その1
消化吸収機能の失調が胃のつかえを引き起こす
中医学では、胃のつかえを「心下痞」といいます。
心下はみぞおちのあたりを、痞はつかえて苦しい状態をいい、痛みを伴わないのが普通です。
胃がつかえるのは、飲食物を消化吸収する「脾胃」の機能が低下して失調し、停滞するからです。
飲食物を受け入れて消化し、生命活動に欠かせない精微な滋養(気・血・津液・精)をつくり、吸収して全身に送り出す脾の機能を「昇清」といい、余ったカスをからだの下へ送る胃の機能を「降濁」といいます。
このように、上昇と下降という正反対の機能をもつ脾と胃は、常に協調し統一されて活動しています。
したがって、脾と胃のどちらかの機能がなんらかの原因で失調すると、もう一方の機能も停滞して、昇清が低下するとともに降濁が上に向かって逆行したり、昇清せずに降濁が促進するなど、さまざまな消化吸収障害が発生するため、胃のつかえが起こります。
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